※この体験談は、願主から寄せられた内容をもとに、個人が特定されないよう一部編集・再構成しています。
突然、連絡が来ました。
本当に、何もなかったみたいな文章でした。
「久しぶり、元気?」
たったそれだけです。
でも私は、その一文を見た瞬間に、手が震えました。
その人に傷つけられたことを、私はずっと忘れられませんでした。
言われたことも、されたことも、最後にこちらだけが悪いみたいにされたことも、全部まだ残っていました。
なのに相手は、まるで少し時間が空いただけみたいに、普通に連絡してきました。
この人の中では、本当に何もなかったことになっているんだと思いました。
私はその日、返事をしませんでした。
でも、ずっと画面を見ていました。
返す気はないのに、何度も開いてしまいました。
相手の名前を見るだけで、胸の奥が嫌な感じになりました。
悔しいのか、怖いのか、腹が立つのか、自分でも分かりませんでした。
ただ、許せなかったです。
何もなかったように連絡してこられること。
自分は悪くないみたいな顔で、また私の前に出てこようとすること。
あの時、私がどれだけ壊れたかを知らないまま、普通に生きていること。
全部が許せませんでした。
正直、相手に反省してほしいというより、もう一度、私が感じたような嫌な気持ちを味わえばいいと思いました。
最低だと思います。
でも、それが本音でした。
周りには、もう関わらなければいいと言われました。
その通りだと思います。
返事をしなければ、それで終わる話なのかもしれません。
でも、私の中では終わりませんでした。
相手が勝手に終わったことにしているだけで、私はまだ終わっていませんでした。
相手にとっては軽い連絡でも、私にとっては、また踏まれたような感じでした。
あの人はいつもそうでした。
自分がしたことを軽く扱って、こちらが傷つくと面倒くさそうにする。
そして時間が経つと、全部なかったことにして戻ってくる。
もう二度と、何もなかった顔で私の前に来てほしくありませんでした。
黒願堂に相談した時も、私はまとまった文章を書けませんでした。
「連絡が来ただけなのに、すごく気持ち悪いです」
たしか、そんなふうに送りました。
大きな事件が起きたわけではないです。
でも、その人からの連絡で、昔のことが全部戻ってきました。
私はまた眠れなくなって、食欲も落ちて、ずっとその人のことを考えていました。
黒願堂からは、無理に綺麗に説明しなくていいと言われました。
それで少しだけ、続きが書けました。
相手が何をしたのか。
私が何を許せなかったのか。
何もなかったことにされるのがどれだけ苦しいのか。
全部、言える範囲で送りました。
黒願堂からの返事で印象に残っているのは、「その人が守ってきた流れへ黒願を結ぶ」という説明でした。
私は相手を直接どうこうしたいわけではありませんでした。
でも、相手がまた何もなかった顔で人の前に出て、同じように許されて、同じように受け入れられるのは嫌でした。
その人がいつも守っているもの。
人からの信用とか、軽く許される感じとか、何をしても戻れる場所とか。
そういうものに返ってほしかったです。
あの人が何もなかったことにしている流れを、止めてほしいと思いました。
儀式が終わったあと、報告の文章と画像が届きました。
私が送った内容をもとに、何を黒願として扱ったのかが書かれていました。
読んでいて、少し息が詰まりました。
そこには、私がずっと言えなかったことがありました。
私は、相手に連絡してほしくなかっただけではありません。
その人に、何もなかったことにされたくなかったんです。
それを読んだ時、自分でもやっと分かりました。
相手を忘れたいというより、相手が平気でいることが許せなかった。
自分だけがまだ苦しいのに、相手が普通に戻ってこようとするのが許せなかった。
その気持ちを黒願として扱ってもらえたことで、少しだけ落ち着きました。
その後、相手からまた連絡が来ることはありませんでした。
共通の知人から、相手が少し周りと揉めているという話も聞きました。
詳しいことは分かりません。
でも、今までみたいに何でも軽く済ませられている感じではないのだと思いました。
正直、安心しました。
相手が苦しんでいるかもしれないと思って、安心する自分がいました。
いい人ではないと思います。
でも、私はいい人でいようとして、ずっと苦しかったです。
相手を許せないのに、許したふりをしていました。
もう終わったことにしなければいけないと思っていました。
でも、終わっていませんでした。
黒願は届いたと思います。
少なくとも、あの人が何もなかったように戻ってくる流れは、止まったと思いました。
今でも、完全に忘れたわけではありません。
たまに思い出して腹が立つこともあります。
でも、あの連絡が来た日みたいに、画面を見て動けなくなることは減りました。
私の中にあったものが、ちゃんと外に出たからだと思います。
誰かに分かってほしかったわけではないのかもしれません。
ただ、なかったことにされたくなかった。
私は傷ついたし、許せなかったし、相手にも返ってほしかった。
その気持ちを否定されなかったことが、私には必要でした。
何もなかったように連絡してくる相手に苦しんでいる人がいたら、無理に大人にならなくていいと思います。
許せないなら、許せないままでいいです。
少なくとも私は、そうでした。
黒願堂へのご相談
ひとりで抱え続ける必要はありません。
黒願堂では、願主の内に残った怨みを、
名・数命・縁・因から見立て、
黒願として封の内へ納めます。
はじめから、すべてを整えて話す必要はありません。
まずは、言える範囲だけで構いません。
※本記事は願主の体験談をもとに再構成したものであり、記載内容は願主個人の感想です。

